方言のシャワー・5月6日

最近、毎朝方言のシャワーを浴びている。しかも私の出身地の、である。過去には大河ドラマも撮影され、聞くだけで「あ、土佐弁や」とわかる。また、撮影地を確認し、「そんな遠いところで撮影かえ?」と思ったり、背景に少しだけ映った山々を見て「あれが私の家の向かいの山や」と勝手に楽しんだりしている。

朝のドラマは主人公が青年に成長した場面に移った。土佐弁を聞くと、土佐弁ならではの表現もある。その代表格が「ろいろい」だ。先日のシーンで登場した。「ろいろい」とは、うろちょろする、を意味する。小さい頃、私も親から「ろいろいしなや!」とよく注意された。主人公もお目付け役に「ろいろいせんとってください!」と言われていた。

「ろいろいて! 土佐弁丸出しやん!」と大阪にかぶれた私は関西弁でツッこむ。土佐弁は語尾が特徴的だが「ろいろい」が出たときは、ことばそのものが土佐弁や!と感じた。

こんなことを言うと誰かから「てんごのかぁ、すな!」と言われそうだ。「てんごのかぁ」とは高知でも私の育った地域の古い方言で「余計なこと」という意味。「てんごのかあ、すな」は余計なことをするな、となる。幼少期に祖父に言われた。今は使う人もあまりいない。これはさすがにドラマには出てこんやろ。

今度地元に帰るが、ポロッと関西弁が出たら変な雰囲気になりがち。墓参りにも行く予定だ。祖父の墓前には、ネーティブな土佐弁でお参りしたいと思う。


小森ゆい(37) 大阪市淀川区