ウクライナ、東欧3カ国をWTO提訴 穀物輸入規制、報復措置も

世界有数の小麦の生産国であるウクライナの小麦畑。首都キーウの近く=2020年7月(ロイター)

ウクライナ経済省は18日、安価なウクライナ産穀物の流入を警戒して独自の輸入規制措置を決めたポーランド、ハンガリー、スロバキアの東欧3カ国を世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。

ウクライナのカチカ通商代表は米ニュースサイト、ポリティコのインタビューで、3カ国の措置が「法的に誤っていることを証明することが重要だ」と指摘した。特に影響が大きいポーランドの措置が撤廃されなければ「報復を余儀なくされる」と述べ、ポーランド産の果物や野菜のウクライナへの輸入を規制する可能性を示唆した。

ウクライナ産の農作物は主に黒海経由で輸出されてきたが、ロシアによる侵攻で停滞した。欧州連合(EU)は陸路での輸出促進のため関税を撤廃。その結果、東欧諸国に大量の穀物が流入した。

ポーランド政府報道官は提訴を受け、地元メディアに「われわれの行動は正当だ。輸入規制を撤回するつもりはない」と述べた。(共同)